
はじめに:「HPリニューアルなんてできるの?」から始まった #
製造業の小さな会社が、古いHPをどうリニューアルするか。 その問いは、2024年6月のある日、ごく気軽な試行から始まりました。
「CMS もない。外注の予算も限られている。 生成AI を使ったら、本当に何かできるんだろうか?」
この素朴な質問が、その後6ヶ月間のジャーニーへと発展します。 本記事は、Claude を「参謀」として活用しながら、 HP リニューアルを本格化させた経験の記録です。
第1部:6月10日ごろの試行 — 驚きと疑問 #
気軽な実験としての第一歩 #
6月10日ごろ、当社の古いHPを、Claude に見せてみることにしました。 「リニューアルなんてできるの?」程度の気軽さで。
当時の期待値は低かったです。 何か参考になる提案が得られればいいくらい。
CMS なしで実現したワンページHP #
しかし結果は予想外でした。
Claude は、CMS も外注も必要としない簡潔なアプローチを提案してくれました。 古いHPから内容を抜き出し、シンプルなワンページHP として表現する。 その実装方法も、具体的で実行可能なものでした。
実際に試してみると、本当に機能するものが出来上がりました。 「こんなことが可能なんだ」という驚きを感じたのはこの時です。
立ちはだかった「次のステップ」の問い #
しかし、同時に大きな疑問も生じました。
実装はできた。だが、このHP は「華やかさがない」。 古いHPからの脱却とは言いがたい。
そして更に根本的な問い: 「ここからどう進化させるのか?」
その道筋が見えません。 Claude の提案は実装的には優れていたが、 ビジュアルとしての洗練さ、ユーザー体験の向上といった側面では、 解決策を示してくれませんでした。
結果として、その試行物は放置されることになります。
第2部:夏~秋の転機 — 認識の変化 #
『#100日チャレンジ』との出会い #
その後、私たちの意識を大きく変える出来事がありました。
書籍『#100日チャレンジ』を読みました。 この本は、生成AI の可能性を、実践的で具体的に描いていました。
単なる「AIツール」としての位置づけではなく、 ビジネスや創造活動の「パートナー」「参謀」としての活用方法。 その幅広さに、目が開かれました。
toiee Lab からのメッセージ #
同じ時期、toiee Lab からのメールで、 「HP に使える」という言及を目にしました。
それは明確なメッセージでした。 「生成AI は、単なる情報提供ツールではなく、 あなたのHP リニューアルプロジェクト全体を推進できるパートナーになりうる」
その確信が、私たちの中に生まれました。
思考の転換点 #
6月の試行では、Claude を「実装の手助け」として見ていました。 しかし今、私たちが気づいたのは、 Claude は「戦略的なパートナー」「参謀」たりうる、ということです。
実装だけでなく、全体的なビジョン、 方向性の検討、問題解決の道筋まで 示唆してくれるパートナーとしての可能性。
この認識の転換が、10月末からの本格的なリニューアルプロジェクトへの 道を開くことになります。
第3部:10月末以降 — Claude を「参謀」として本格始動 #
「参謀」としての活用 #
10月末ごろ、本郷工業の HP リニューアルプロジェクトは 大きく加速しました。
この段階での Claude の役割は、単なる「実装ツール」ではありません。 むしろ「参謀」です。
- 現在の問題点は何か
- 実現可能なアプローチは何か
- 優先順位は何か
- 次に何をすべきか
こうした戦略的な問いに、Claude は常に応答してくれました。
CMS 構築、セキュリティ、スパム対策… #
プロジェクトは多角的に展開します。
GitHub による構成管理、 Hugo による静的サイト生成、 Cloudflare Pages での公開、 セキュリティ対策やスパム防止機構の構築…
これらの複合的な課題に対して、 Claude は単に「その方法」を示すだけでなく、 「なぜそれが必要か」「どのような優先順位で進めるか」 という戦略的なガイダンスを提供してくれました。
実装の現場感 #
そして重要なのは、この全プロセスが 実装の現場から生まれているということです。
理論的な「あるべき形」ではなく、 実際に手を動かしながら、問題に直面し、 その解決を共に考える。
その中で、本当に必要なことが見えてきます。 理論と実装のギャップを埋めるのは、 こうした具体的なやり取りなのです。
Claude との対話の中で、 私たちのHP リニューアルは、 単なる「古いサイトの刷新」ではなく、 「製造業の小さな企業が、デジタル時代にどう立ち向かうか」 という、より大きなテーマへと昇華していきました。
おわりに:この経験から次へ #
6ヶ月のジャーニーが示したこと #
2024年6月から12月にかけての6ヶ月間。 「できるの?」という素朴な問いから始まったリニューアルプロジェクトは、 単なる HP の刷新に留まりませんでした。
それは、経営層が生成AI とどう向き合うか、 開発者がいかに現場の課題を解決するか、 そして小さな製造業がどうデジタル化の波に乗るか。
こうした根本的な問いへの、実践的な答えを示すプロセスになったのです。
「参謀」としての AI の可能性 #
Claude を「参謀」として活用することで、 私たちが学んだのは、 生成AI の真の価値は「労働力の代替」ではなく、 「思考のパートナーシップ」にあるということです。
実装の現場で、問題に直面した時、 その解決策を共に探り、 より良い方向へ進むための判断を共にできる。
そうした関係性が、本当の意味での「DX」を生み出すのだと感じます。
次の記事へ #
このシリーズの次の記事では、 実装の現場で生じた具体的な課題と、 その解決プロセスを記録していきます。
GitHub と Claude の親和性、 セキュリティ対策の現場の工夫、 スパム防止の試行錯誤…
技術的な深掘りを通じて、 「実装の現場感」をお伝えしていきたいと思います。